カテゴリー: 所得税
医療費控除に特例が設けられます(セルフメディケーション税制)
こんにちは。
数十年ぶりの大雪など、全国各地で厳しい寒さが続いていましたが、最近は暖かくなってきましたね。
さて、2月15日から3月15日にかけて、年一度の確定申告の時期になります。
今年の確定申告が従来と大きく変わる点は、医療費控除の特例が設けられたことです。
セルフメディケーション税制といい、これまでの医療費控除の対象外だった人も、医療費控除が受けられる可能性があります。
今回は、このセルフメディケーション税制についてお話します。
まず、セルフメディケーション税制の適用を受けるためには、以下の条件に該当する必要があります。
1.保険者(健康保険組合、市区町村国保等)が実施する健康診査【人間ドック、各種健(検)診等】
2.市区町村が健康増進事業として行う健康診査【生活保護受給者等を対象とする健康診査】
3.予防接種【定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種】
4.勤務先で実施する定期健康診断【事業主検診】
5.特定健康診査、特定保健指導
6.市町村が健康増進事業として実施するがん検診
これらのうちどれかの取り組みを行い、かつその証明ができる場合に適用を受けることができます。
インフルエンザの予防などは領収書が必要ですが、健康診査などの審査類は、診断結果のコピーでも申請時の添付資料として使用することができます。
そして、セルフメディケーション税制により控除対象とされるものは、特定一般用医薬品等(略称otc医薬品)の購入金額とされています。
otc医薬品とは、簡単に言えば、病院から処方される薬とは違い、薬局等で売っている薬の事を指します。
薬局で売っている薬がすべてotc医薬品とは限りませんが、購入した際のレシート(商品名に*などが付されている)や商品のパッケージに識別マークが付されるなどの工夫がされています。
このotc薬品を年間12,000円を超えた場合、購入金額から12,000円を引いた金額を控除対象金額とすることができます。
これだけ聞くと、控除の範囲が広がったということでお得感が出ますが、実際にはそういうわけではありません。
理由は、このセルフメディケーション税制は医療費控除の特例であるため、従来の医療費控除との併用はできないためです。
そのため、申告をする人がどちらを適用するか選択する必要があります。
従来の医療費控除・セルフメディケーション税制どちらが有利か判断するためには、控除の上限額が大きく係わってきます。
セルフメディケーション税制は、控除対象金額が12,000円以上とハードルは低いですが、申告できる金額が100,000円までと定められており、88000円までしか控除することができません。
通常の医療費控除は上限が200万円と高額ですので、入院などをされて、多額の医療費を払った場合は、通常の医療費控除で申告をしたほうが有利と言えます。
どちらにせよ、控除できるのであれば申告はするべきですので、病院の領収書はもちろんのこと、薬局のレシート等もきちんと保管しておくようにしましょう。
以下、国税庁のHPになります。
http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1132.htm
平成28年分年末調整の主なポイント
こんにちは。
いよいよ年末調整の時期が近づいてまいりましたね。
28年分の年末調整の留意点をおさらいしておきましょう!
★非課税通勤費10万円から15万円に
通勤手当についてですが、昨年までと異なり、
非課税限度額が1ヶ月あたり15万円(改正前は10万円でした)に引き上げられました!
改正後の非課税規定は、平成28年1月1日以後に支払われるべき通勤手当から適用されます。
少しややこしいのですが・・・
平成28年4月の改正より前に支払われた通勤手当については、改正前の規定を適用し、所得税及び復興特別所得税が源泉徴収されていますので、
改正後の非課税規定を適用した場合に過納となる税額は、本年の年末調整で精算する必要があります。
ポイント(1)
既に支払われた通勤手当が改正前の非課税限度額以下である方は、精算の手続きは不要です。
ポイント(2)
年の途中で退職した方など、本年の年末調整で精算する機会のない方は、確定申告で精算します。
★国外に居住する扶養親族等の取り扱い
非居住者である親族について、扶養控除等の適用を受ける場合には、「親族関係書類」や「送金関係書類」などの関連資料を会社に提出又は提示する必要があります。
扶養控除等申告書にも記入する項目欄が追加(「非居住者である親族」欄に〇印を付す)されています。
★マイナンバー記載
保険料控除申告書 ・・・ 不要
配偶者特別控除申告書 ・・・不要
住宅借入金等特別控除申告書 ・・・不要
扶養控除等申告書 ・・・必要(本人の他、扶養親族のマイナンバーの記載も必要)
本年分が、マイナンバー制度が導入されてから初めて行われる年末調整となります。
給与所得者の源泉徴収票のサイズや様式が変更されていますので、システム等が対応しているか確認をしましょう。(昨年A6サイズ → 大きいA5サイズへ変更)
ポイント(1)
税務署提出用、市区町村提出用の書式には、給与等の支払を受ける者の個人番号、そして給与支払者の番号(会社であれば法人番号、個人であれば個人番号)を記載する欄があり、番号を記載することになっていますが、受給者交付用には番号の記載は不要です(記載欄もなし)。
ポイント(2)
マイナンバー記載が必要な「扶養控除等申告書」についても、給与等を支払う者が一定の帳簿等を備えている場合は、マイナンバーの記載は不要です。
納期の特例
こんにちは。
給与から天引きする源泉所得税は、原則、支払った月の翌月10日までに税務署へ納めることになっています。
たとえば、5月25日に給料を支給したとすると、6月10日までに納付します。
しかし、給与の支給人数が常時10人未満である場合は、所轄税務署に申請をすることで、
毎月納付ではなく、半年に1回、6ヶ月分をまとめて納付できる制度があります。
この制度を「納期の特例」制度といいます。
事務手続きの簡素化につながりますね!
1~6月給与から天引きした源泉所得税及び復興特別所得税:【7月10日】
7~12月給与から天引きした源泉所得税及び復興特別所得税:【翌年1月20日】
この特例の対象となる所得税は、
〇給与・賞与・退職金から源泉徴収したもの
〇税理士等報酬(税理士・司法書士・社会保険労務士など)から源泉徴収したもの
に限られますので、
原稿料や講演料、外注費などから源泉徴収した所得税は、支払った日の翌月10日までに納めることにご留意ください。
さて、実際に申請書を提出した場合、いつから納期の特例が適用できるのでしょうか?
答えは、「申請書を提出した月の翌月末日までに税務署長から承認又は却下の通知がなければ、この申請書を提出した月の翌月末日に承認があったものとされ、申請の翌々月の納付分から特例が適用となる」です!
6月中に申請書を提出した場合、7月末に申請書が承認、8月10日納付分より納期の特例が適用となります。
つまり6月支給分は7月10日に納付しなければいけないので注意が必要です。
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