スタッフブログ

私たちのオフィスでのちょっと良いできごとや、税務、会計の豆知識、ワンポイントアドバイスなど、優経グループのスタッフが交代でお届けします。

医療費控除に特例が設けられます(セルフメディケーション税制)

2018-02-22
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こんにちは。

 

数十年ぶりの大雪など、全国各地で厳しい寒さが続いていましたが、最近は暖かくなってきましたね。

 

さて、2月15日から3月15日にかけて、年一度の確定申告の時期になります。

今年の確定申告が従来と大きく変わる点は、医療費控除の特例が設けられたことです。

セルフメディケーション税制といい、これまでの医療費控除の対象外だった人も、医療費控除が受けられる可能性があります。

 

今回は、このセルフメディケーション税制についてお話します。

 

まず、セルフメディケーション税制の適用を受けるためには、以下の条件に該当する必要があります。

1.保険者(健康保険組合、市区町村国保等)が実施する健康診査【人間ドック、各種健(検)診等】
2.市区町村が健康増進事業として行う健康診査【生活保護受給者等を対象とする健康診査】
3.予防接種【定期接種、インフルエンザワクチンの予防接種】
4.勤務先で実施する定期健康診断【事業主検診】
5.特定健康診査、特定保健指導
6.市町村が健康増進事業として実施するがん検診

 

これらのうちどれかの取り組みを行い、かつその証明ができる場合に適用を受けることができます。

インフルエンザの予防などは領収書が必要ですが、健康診査などの審査類は、診断結果のコピーでも申請時の添付資料として使用することができます。

そして、セルフメディケーション税制により控除対象とされるものは、特定一般用医薬品等(略称otc医薬品)の購入金額とされています。

 

otc医薬品とは、簡単に言えば、病院から処方される薬とは違い、薬局等で売っている薬の事を指します。

薬局で売っている薬がすべてotc医薬品とは限りませんが、購入した際のレシート(商品名に*などが付されている)や商品のパッケージに識別マークが付されるなどの工夫がされています。

 

このotc薬品を年間12,000円を超えた場合、購入金額から12,000円を引いた金額を控除対象金額とすることができます。

 

これだけ聞くと、控除の範囲が広がったということでお得感が出ますが、実際にはそういうわけではありません。

 

理由は、このセルフメディケーション税制は医療費控除の特例であるため、従来の医療費控除との併用はできないためです。

 

そのため、申告をする人がどちらを適用するか選択する必要があります。

 

従来の医療費控除・セルフメディケーション税制どちらが有利か判断するためには、控除の上限額が大きく係わってきます。

セルフメディケーション税制は、控除対象金額が12,000円以上とハードルは低いですが、申告できる金額が100,000円までと定められており、88000円までしか控除することができません。

通常の医療費控除は上限が200万円と高額ですので、入院などをされて、多額の医療費を払った場合は、通常の医療費控除で申告をしたほうが有利と言えます。

 

どちらにせよ、控除できるのであれば申告はするべきですので、病院の領収書はもちろんのこと、薬局のレシート等もきちんと保管しておくようにしましょう。
以下、国税庁のHPになります。

http://www.nta.go.jp/taxanswer/shotoku/1132.htm

配偶者控除・配偶者特別控除の改定が、来年から適用されます!

2017-12-11
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こんにちは。
今月に入り一段と厳しい寒さになってきましたね。体調管理をしっかりと行いましょう。

 

さて、2017年も残すところ後1ヶ月となりましたが、会計事務所の年末は年末調整で大忙しです。。。

 

今年、配偶者控除及び配偶者特別控除の見直しが行われました。

この改訂は来年度から適用されるものですが、年末調整に直接かかわる事になりますので、今回はこちらについて触れていきます。

 

国税庁のHPには、以下のように記載されています。

(1) 配偶者控除及び配偶者特別控除の控除額の改正
1 配偶者控除の控除額が改正されたほか、給与所得者の合計所得金額が1,000万円を超える場合には、配偶者控除の適用を受けることができないこととされました。
2 配偶者特別控除の控除額が改正されたほか、対象となる配偶者の合計所得金額が38万円超123万円以下とされました。

(2) 扶養親族等の数の算定方法の変更
扶養親族等の数の算定に当たり、配偶者が源泉控除対象配偶者に該当する場合には、扶養親族等の数に1人を加えて計算することとされました。
また、同一生計配偶者が障害者に該当する場合には、扶養親族等の数に1人を加えて計算することとされました。
(3) 給与所得者の扶養控除等申告書等の様式変更等
「給与所得者の配偶者特別控除申告書」が「給与所得者の配偶者控除等申告書」に改められたことから、配偶者控除又は配偶者特別控除の適用を受けようとする給与所得者は、その年の年末調整の時までに給与等の支払者に当該申告書を提出しなければならないこととされました。

 

今回の見直しにより最も変わった個所は、(1)配偶者控除及び配偶者特別控除の控除額の改正になります。

(1)1ですが、従来であれば配偶者の年間所得額が38万円未満だった場合、納税者の年収に関係なく配偶者控除の対象となっていました。

例)納税者が夫(年収1200万)配偶者が妻(パート勤務・年収90万)
90万-65万(給与所得控除額)=25万 38万>25万 =25万円の配偶者控除が受けられる

しかし、見直し後は上記の計算の前に、納税者の年収で判定され、合計所得金額が1,000万円を超えた場合は、配偶者の収入に関係なく配偶者控除そのものが受けられなくなってしまいます。

例)納税者が夫(年収1200万)配偶者が妻(パート勤務・年収90万)
1,000万<1,200万配偶者控除が受けられない

 

(1) 2の配偶者特別控除では、見直し前から合計所得金額が1,000万円を超えた場合は対象外とされているため、見直し後は1,000万円を超えてしまった段階で双方の対象から外れてしまうわけです。

 

(1) 2の見直しでは、配偶者特別控除の対象者の範囲が拡大しました。見直し前までは、合計所得金額が38万1円~76万円までの配偶者が対象となっていましたが、見直し後は合計所得金額が38万1円~123
万円までが対象となります。

85万円を超える所得金額からは、以下の表のように段階的に控除額が下がっていきます。

38万円~85万円以下⇒38万円
85万円~90万円以下⇒36万円
90万円~95万円以下⇒31万円
95万円~100万円以下⇒26万円
100万円~105万円以下⇒21万円
105万円~110万円以下⇒16万円
110万円~115万円以下⇒11万円
115万円~120万円以下⇒6万円
120万円~123万円以下3万円
123万円~⇒0円

今回は(1)の見直しのみ触れましたが、さらに詳しい詳細は下記URLの国税庁のページをご覧ください。

https://allabout.co.jp/gm/gc/14577/

厚生年金保険料が値上がりしました。…が!

2017-10-31
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こんにちは。

10月は台風の影響で晴れの日が少なかったですね…季節外れの寒さに防寒具を引っ張り出した方も多いのではないでしょうか。

さて、少し前の話になりますが、先月の9月に厚生年金保険料が値上がりしました。
この厚生年金保険料は、2004年に制定された年金改革により、毎年9月に0.354%ずつ引き上げられています。

2004年9月 13.580%
2005年9月 13.934%
2006年9月 14.288%

中略

2015年9月 17.828%
2016年9月 18.182%
2017年9月 18.300%

上の表を見ると、2004年時には13.58%でしたが、去年の2016年には18.182%、今年は18.3%と、
値上がりが始まった2004年と今年を比べると、5%近く値上がりしていますね…。

しかし、この値上げは今回で終了となり、翌年以降の厚生年金保険料率は18.300%で固定されます。

理由は明確で、年金改革時に、厚生年金保険料率の上限は18.3%と定められており、今年で上限に達したためです。
今年の値上がり率は従来の0.354%ではなく0.118%と、上限を超えないように調整されていますね。

このような制度にした背景には、日本の年金制度が賦課方式であることが起因しています。

賦課方式とは、現在働いている社会人が納めている年金を、現在の年金受給対象者に充てる方式の事を言います。

少子高齢化が進むと、年金受給対象者が多くなっていく一方、年金を納める社会人の数は逆に少なくなってしまいますね。
その際に保険料率が一定の状態だと、年金の財源が不足してしまうわけです。

その為、高齢者が年々増えていく現状を踏まえ、2004年時に厚生年金保険料の引き上げに踏み切ったということです。

2004年の改革時の試算では、その他の年金改革も踏まえ、2100年までは収支は安定するという結果が出ていたそうですが……

当時の想像以上に少子高齢化が加速しているようで、2100年を待たずして積み立てていた年金が無くなってしまう可能性があるようです…。

果たして私の老後までに、年金の財源は残っているのでしょうか……!

それでは。

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